ブログの当番ですが特に話題もないので古い写真を見ていたら懐かしい写真が出てきたので載せることにした。

サラリーマンをしていたころ、7年間静岡にいました。
富士山の登山が解禁になると、毎年、頂上にある発電機の点検に行っていた。
解禁になると、頂上でお店や宿泊所を営んでいる人たちは、自動販売機を運んだり、食料を運んだり、毎日大忙し。運搬はブルドーザで毎日往復します。

「ごうりき」というと背中に荷物を背負って徒歩で登山するイメージがありますが、今時のごうりきはブルドーザです。ブルドーザだからラクチンという訳ではなく、狭くて、うるさくて、ものすごい振動の中を往復8時間ひたすらブルドーザを運転する。帰り(下り)はバックで降りてくる。写真の日付を見ると1994年8月22日とあるので下界は真夏。頂上は0度。

気圧の差も激しいが、運転手はもう慣れている様子。私みたいに滅多に行かない人は、頂上に着いたころ頭が痛くて仕事にならないので、スプレー缶のような携帯酸素持参で登る。普通、登山する人は8合目あたりのホテル(山小屋)で一泊して身体を慣らしてから頂上アタックとのこと。
頂上では、スナック菓子がパンパンにふくれるほど気圧が低いので、沸点も低くご飯もおいしく炊けないらしい。そこで圧力釜でご飯を炊いていた。
お店にあった登頂証明のスタンプを手帳に押したら「それは足で登山した人だけ」と叱られてしまった。
驚いたことに公衆電話があったので試しに会社に電話をしてみた。ちゃんと繋がった。

仕事で頂上に来る人は、だいたいブルドーザに乗せていただくのだが、中に入りきらないときは、屋根の上にしがみついてくる。気温0度でブルドーザの屋根に4時間もしがみついている経験などめったにできない。私は経験がないが、以外と若い人はジェットコースターにでも乗る感覚でトライしていた。ほとんどの人は後悔していたが。
5合目までは車で来れるので5合目が終点だが、降りて来てすぐは頭が割れるように痛く、しばらく車の中で休んでからでないと運転できない。
しかし、ブルドーザの狭い窓から雲海を見ていると飛行機に乗っているような錯覚を起こす。晴れているときはなかなか爽快である。